◆プロバイオティクスは、人間に有益な作用をもたらす微生物◆
よく病院で処方される抗生物質(アンチバイオティクス)は、体に感染して病気を引き起こしている病原菌そのものを殺す薬。抗生物質は「両刃の剣」ともいわれています。というのは、病原菌だけでなく、腸にいる善玉菌も殺してしまうからです。また最近、新聞でも院内感染が報じられたように、MRSAなど抗生物質が効かない病原菌などの問題もクローズアップされています。
そこで、抗生物質よりもおだやかな方法で健康を守る手段はないかと考えられるようになってきました。「プロバイオティクス」は、「アンチバイオティクス」に対比する言葉として、「プロバイオシス(共生)」を語源に名づけられました。
1989年にフラーという学者により、「プロバイオティクスとは、腸内フローラのバランスを改善することにより、宿主(人間)に有益な作用をもたらす生きた微生物」と定義されました。例えば、乳酸菌やビフィズス菌などがそれにあたります。また、こうした微生物を健康づくりに役立てる考え方を指すこともあります。
この乳酸菌やビフィズス菌は、腸内の善玉菌を増やし整腸効果があることは、これまでもよく知られています。さらに最近では、コレステロール値低下作用や抗腫瘍効果、免疫活性、アトピー抑制、ピロリ菌抑制など、さまざまな働きが科学的に確認されています。
・・・プロバイオティクスの条件・・・
ただ、乳酸菌と一言で言ってもその種は膨大で、すべてがプロバイオティクスと言えるわけではありません。下のような条件を満たす必要があります。
1.食経験を含めて安全性が十分に保証されていること
2.もともとその宿主の腸内フローラの一員であること
3.胃液、胆汁などに耐えて腸内に到達できること
4.増殖部位である下部消化管(小腸下部、大腸)で増殖可能なこと
5.宿主に対して明らかな有用効果を発揮しうること
6.食品などの形態で有効な菌数が維持できること
7.安価かつ容易に取り扱えること
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